Posted on Jan 28, 2010 in blog
こんばんわ。
先日27日から、日経BP社 Tech-on!という、ものづくりを支援する情報サイトにて
連載を開始しました。
連載タイトルは、「ものづくり復活の会計術」です。
『ものづくり大国』ニッポンを復活させるために、
必要な会計やコストマネジメントとは何か?について触れていきます。
以前にもこのブログで書きましたが、
私は、日本のものづくりは、今の会計がダメにしていると思っています。
品質管理、納期管理では当たり前の概念が、
会計・コストでは当たり前ではないのです。
この3年間のあり方で、日本のものづくりが生きていけるかが決まると思っています。
なぜ、この3年間が重要なのか少し触れたいと思います。
先日IMFが2010年2011年のGDP予想を出しました。
2010年は、
世界全体 3.9%
先進国全体 2.1%
発展途上国 6.0%
そんな中、
アメリカは、2009年-2.5%から、2010年は、2,7%と先進国平均を上回っています。
立ち直りが早い!サブプライムの震源地とは思えないです。
しかし
なんと日本は、2009年-5.3%から持ち直しているものの1.7%成長に留まっています。
また、
ユーロ全体で1%。ドイツ・フランスが1.5%くらいですので、ヨーロッパの回復はまだまだです。
日本の家電メーカーの厳しさは変わりませんね。
そして、途上国を見て行くと、
中国が10%の2ケタ成長。
インドが7.7%成長とすごいですね。
もっと驚くべきものが、ロシアの2009年-9%に対して2010年は3.6%。
まぁ、2009年が悪すぎたというのもあるのでしょうが、
経済的に日露関係が深まっている中では喜ばしいです。
ざっと、IMF発表の数値を見ながら特徴的な部分を上げてみました。
2009年はマイナス成長が多かったのですが、
2010年はプラス成長にやっと上向く兆しがあります。
『ものづくり大国』ニッポンがこの波に乗れるかですね。
ここで、問題となるのが、
造船・原子力発電・資源プラントなどの重工企業です。
今までアジアの中では、重工分野では、日本はダントツの技術力とシェアがありました。
しかし!韓国勢が怖いですね。
先日も、韓国がアブダビ原子力発電所の一括受注をしました。
李明博大統領のトップセールスなどで日米連合軍を破ったのです。
原発の研究開発に関しても、政府が支援をし、
2030年までに原発80基受注を目指すとのことです。
韓国は、国を上げてピンポイントで産業を成長させて行きますよね。
これが、危ない。
価格も安いし、技術力もどんどん底上げされています。
コンサルティングで重工関連のお客様を見ていると、
本当に無駄がまだまだ多いです。
匠の力に頼りすぎて、企業としてのマネジメントが全くなっていないと言って過言ではないです。
匠の力(技術力)をマネジメントが生かしきれてないのです。
OECDの発表で、今後のインフラ投資では、水関連がダントツに伸びるとあります。
上下水処理技術は日本は世界一です。
また、鉄道(特に高速鉄道)需要は伸びており、
日本の新幹線技術は世界でもかなり評価されています。
日本を復活させる産業はまだまだあります。
技術力はあります。後は、技術をお金に変えるマネジメント力だけです。
私は、この3年の間に、重工などの個別受注企業が変革できないと
日本のものづくりはダメになると感じています。
話しがかなり長くなりましたが、
そのためにも、連載を通じて、正しい事業評価のあり方、正しい意思決定のヒントになる事を情報発信していきたいと思っています。
是非、お時間がある時にはご一読ください。
2010年01月28日
一生懸命の気持ちを持って。