Posts made in June, 2012

「効率化のIT」vs「高度化のIT」

Posted on Jun 28, 2012 in blog

「効率化のIT」vs「高度化のIT」

製造業の開発/設計領域のシステム構築に関わる事が多い。 そこで常日頃感じることがある。     IT活用やシステム導入の狙いについてである。     数多くの企業のシステムを見てきたが、一番に感じる事は、 殆どが「業務効率化」のためのシステムになっているということである。帳票の自動作成、メールでの自動通知(連絡)、情報検索の容易さ、自動計算・・・・など   人手で行うと手間がかかる部分に関して、システム導入をするというもの。 無論、無駄な作業を無くし、業務効率を上げることは重要である。 しかし、殆どのシステムはそれで終わっている。   『 技術力を高めるためのシステム 』 という検討を行ってないし、そもそもそういった発想にもなっていないことが多い。     システムは『 業務 効率化 』のためだけか!?   システムは『 業務 高度化 』のためにならないのか!?     製造業の開発/設計領域のシステムで言えば、設計部品表(E-BOM)などを導入する企業が多い。   ・それは単なる部品手配の効率化ツールになってないか? ・設計から出図する部品を後工程へ効率よく指示するためのツールになっていないか? ・そのシステムは、そもそも設計力を高めるための機能を考慮しているか? ・様々なお客さんの案件をこなす毎に、企業英知が集約され技術力を高めるためのシステムになっているだろうか?  ...

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新たな車の可能性

Posted on Jun 18, 2012 in blog

新たな車の可能性

先日まで開催されていた「東京おもちゃショー2012」に、新たな可能性を感じる車が発表されていた。 (仕事の都合で実際に見に行くことは出来なかったが、知人から得た情報とネットから得た情報を元に記載する) その車は、トヨタ「Camatte(カマッテ)」という車である。※トヨタのプレスリリース 今回の「Camatte」は、おもちゃ自動車として紹介されているが、私は、自動車の大きな方向性を示してくれたように感じる。 そして、トヨタは数年に一度革新的なパッケージを示す企業と思っており、 過去に2度。今回は3度目の大革新が起きようとしている。 何が革新的なパッケージか述べる前に、まず今回のCamatteの特徴に触れておく。 Camatteは、EVのコンセプトカーであり、主な特徴は3点述べられている。 (特徴の説明部分は私の勝手な解釈が入ってます) ①着せ替えボディー 着せ替えボディーにより、車はカスタマイズするもの。自分らしい1台にする楽しみを得るものを感じてもらいたいという思いが込められていると感じる ※以前、日本でも光岡自動車が行なっていたキットカー的な発想に近い ②親密度の高い室内 今までは、居住性/くつろぎ/快適性を重視するあまり、ボディの大型化が流れになっている。それに対して、『密着度』を重視したいという思いを感じる 「快適や楽しさ=広い。くつろぐ」これのアンチテーゼを訴えたと思う ③子供が運転できる...

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ナレッジを共有する意味

Posted on Jun 14, 2012 in blog

ナレッジを共有する意味

先週の金曜日(6月8日)に『設計標準化と原価管理』というテーマでセミナーを行なってきた。 様々な話を熱く語らせていただいたが、 自ら発する言葉を自ら聞きながら、改めて技術を標準化する重要性を感じた。 製造業は非常に厳しい状況に追いやられている。 しかし、今後の50年100年の新たな企業基盤を築きあげるためにも、 今まで培ってきた「技術」をしっかり棚卸しし、体系立てる事は急務であると感じる。 技術を棚卸しし、体系化し、標準化していくことは、 単なる技術伝承や教育の問題ではない。 技術力を高める活動そのものであると感じる。 技術やナレッジを可視化し共有する意味は、 『企業知・組織知の全容を知るということ』である 企業知・組織知を知ることができれば、 ・自分の行おうとしていることが、企業に取って”初めてのことなのか”が判断でき、(新規性評価) ・誰かが同じ経験をしていれば、同じ失敗を繰り返さなくて済むし、(再発防止) ・誰かが努力した内容を有効的に活用できるし、(成功要因の横展開) ・そして何より、常に1つでも良いので新しいことにチャレンジさせることができる(限界挑戦) 最後の4つ目が重要だと感じる。 何か、仕事を行う際に、自分が常に会社の誰も経験していない事に1つでも良いからチャレンジする。企業知・組織知を1つでもいいので増やす。 そして、企業側もそのチャレンジには寛大であり、新たな領域での失敗は咎めない。しかし、1度失敗したら、二度と同じ失敗はしない。そうすることで企業の経験値を貯めていく。...

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2012/06/08 設計力で企業を変革する 設計標準化と原価管理実践講座

Posted on Jun 8, 2012 in seminar

主催:日刊工業新聞社日時:2012年6月8日会場:日刊工業新聞社 東京本社セミナールーム  なぜ、技術力があるのに、儲からない!  社員皆が頑張っているのに、儲からない!  日本のものづくり企業(特に個別受注企業)は、わがままな顧客要望に答えられる『技術力』と『対応力』で世界から評価されて きました。しかし、近年は韓国・中国などのメーカーの台頭により価格競争の波が押し寄せ、今まで以上に価格競争力の必要性に迫 られています。単に顧客要望を断り、安くするのでは意味がありません。顧客から評価されてきた『技術力』や『対応力』を守りつつ、 『収益』を得るため経営基盤が必要なのです。 よく、技術力があるのに儲からないのは、“営業力がない” “企画力がない” “プロダクトアウトの発想が強い” という言葉が出てき ます。無論それも一理ありますが、それだけで終わらせて良いのでしょうか?営業力・企画力をつけることも行い、一方で開発・設計 を効率良く行う『開発/設計の標準化』と、技術力を正しく評価し経営の意思決定に生かしていく『原価企画による収益力』を身に つける必要があります。 近年、「設計の標準化」「部品の共通化」に取り組む企業が増えてきました。しかし、その多くは設計だけの取り組みが多く原価・ 会計・経営と連動した取り組みになっていません。企業収益力を高める取り組みと一体になってこそ初めて効果が出ます。今までな ぜ技術力があるのに儲からなかったのか?技術力を生かし収益力に変えるために必要な変革とは何か?ものづくり企業復活の道筋 を学んでください。...

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構造化の限界 と 可視化の将来

Posted on Jun 6, 2012 in blog

構造化の限界 と 可視化の将来

こんにちは。プリベクト北山です。 『ビジュアル・コンプレキシティ』を読む──データ・ヴィジュアライゼーション講座 久々に、深く考えさせられる記事に出会った。この記事を読み、感じたことを。(但し、私の勝手な解釈を相当分入れているのでご了承ください)   ツリー構造の限界 様々な企業のコンサルティングを行っていると、ものごとの『可視化』『構造化』を行う。 その際には、樹の枝はが別れていくようなツリー構造で表現することが多い。 品質管理でいうなら、FTAや特性要因図だし、 製品情報管理でいうなら、部品表(BOM)だし、 コンサルティング業でいうなら、ロジックツリーやディシジョンツリーである。 しかし、ツリー構造には限界がある。そもそも、ツリー構造の前提は、『論理』『原理』『分解』『集約』である。だから、ものごとが理路整然と整理され、体系化されていくのである。 しかし、今はそれらが当てはまるのだろうか?ものごとの論理も原理も猛烈な勢いで変化をし、様々な形をとる。だからこそ、企業もスピード経営を目指し、意思決定スピードを上げようとしている。   新しい構造方式(ツリーからネットワーク型へ) そこで、ツリー構造からネットワーク構造に切り替えるべきだという ツリー構造   ・・・ 『論理』 『原理』 『分解』 『集約』 ↓ ネットワーク構造・・・ 『分散』 『可変』 『非線形』 『多様』...

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