新たな車の可能性

Posted on Jun 18, 2012 in blog

新たな車の可能性

先日まで開催されていた「東京おもちゃショー2012」に、新たな可能性を感じる車が発表されていた。
(仕事の都合で実際に見に行くことは出来なかったが、知人から得た情報とネットから得た情報を元に記載する)

その車は、トヨタ「Camatte(カマッテ)」という車である。※トヨタのプレスリリース

今回の「Camatte」は、おもちゃ自動車として紹介されているが、私は、自動車の大きな方向性を示してくれたように感じる。

そして、トヨタは数年に一度革新的なパッケージを示す企業と思っており、
過去に2度。今回は3度目の大革新が起きようとしている。

何が革新的なパッケージか述べる前に、まず今回のCamatteの特徴に触れておく。

Camatteは、EVのコンセプトカーであり、主な特徴は3点述べられている。
(特徴の説明部分は私の勝手な解釈が入ってます)

①着せ替えボディー
着せ替えボディーにより、車はカスタマイズするもの。自分らしい1台にする楽しみを得るものを感じてもらいたいという思いが込められていると感じる
※以前、日本でも光岡自動車が行なっていたキットカー的な発想に近い
②親密度の高い室内
今までは、居住性/くつろぎ/快適性を重視するあまり、ボディの大型化が流れになっている。それに対して、『密着度』を重視したいという思いを感じる
「快適や楽しさ=広い。くつろぐ」これのアンチテーゼを訴えたと思う

③子供が運転できる
車の運転は大人になってから。それを覆せないか?そんな車の根本を考えなおしたように思える。無論、安全性から公道は走れないが。子供から車の楽しさを感じてもらう

どれも素晴らしいコンセプトである。
その中で、特に注目すべきなのは、『①着せ替えボディー』である

現在の車の多様性の軸としては、

『動力源の多様化』→ディーゼル、HEV、EV、燃料電池など
『パッケージングの多様化』→SUVクーペ、コンパクトカー、一人乗り超小型車、水陸両用車のような複合車など

の2点が主なポイントと感じる。

ここに、①着せ替えボディーというのは、『用途の多様性』という新機軸を打ち出したのだと思う。

用途の多様性とは、
動力源をそのままにし、ボディー側を変えることで、多用性を実現させることである。
動力源としてのエンジンはそのままで、ボディーをクーペにしたり、セダンにしたり、ワンボックスにしたり、一人乗り車にしたり・・・と着せ替える事が実現できる。

実は、このコンセプトは、スズキが2007年の東京モーターショーで打ち出している。
<スズキ ピクシー のプレスリリース>
その時はあまり話題にならなかったが、07年モーターショーでは私は大きな衝撃を受けた。
担当者に何度も話を聞き、新たな車の可能性を感じた覚えがある。
しかし、その後2011年の東京モーターショーまでスズキのブースから一切展示などもなくなってしまった。
2011年モーターショーで実際にスズキの説明担当者に聞いてみてもその後社内検討のストップしているとのことであった。非常に残念である。

しかし、ここへ来て、トヨタがそのコンセプトに触れ始めたのは嬉しい限りである。

(個人的にはまり嬉しくないが・・・)最近はあまり「このターボが・・・」とか「ディアルクラッチのスムーズさが・・・」などメカニカルに対する興味をもつ人が少なくなった。しかし、自動車メーカーは最新の機構やメカニックを開発ばかりしている。※ホンダのワトキンソンサイクルエンジンみたいなもの
そんななか、車に興味を持ってもらうためにも、興味の少ない動力源(駆動系)はそのままで、ボディーだけを着せ替えて様々な用途に対応できる車というのは、今の時代に合っているように思える。

それをきっかけに車に興味を持ち、車全体の経済が成り立ってもらえればと思う。

と、Camatteの発表をみて、車の新たな可能性を感じた。これを機に『着せ替え車』の開発を進めてもらいたい。けっして、スズキのピクシーの二の舞にはなってもらいたくない。

ちなみに、最初に触れたが、トヨタの過去の革新的なパッケージについて、

一度目は、97年発売のプリウスである。世界で初めてハイブリッド車を量産化した。今のハイブリッド・EVの潮流を作ったきっかけである。

二度目は、08年発売のiQである。エンジン車でありながら、あのサイズの車を作った。しかもFFで。しかし、当初ネッツブランドで売ってしまいブランディングに大失敗。レクサスブランドで売れば素晴らしいブランドを確立できたのに・・・と悔やまれる

そして、今回のCamatteが三度目。
約10年に一度革新的なパッケージを出しているので、次は2017年くらいを期待しておこう。

あと5年。それまでに『着せ替え車』のパッケージを世に出してもらいたい。そう願っておこう・・・

2012年6月18日
想像力をもって・・・ プリベクト 北山一真