設計標準化なんて どうせ失敗する!?

Posted on Jun 16, 2014 in blog

設計標準化なんて どうせ失敗する!?

先日、『 設計標準化なんて、どうせ失敗する!? 』 と題したホワイトペーパーを公開しました。(詳細はこちらから)問合せや感想など、反響が大きく関心の高さの表れであると改めて感じました。

 

職業柄、多くの企業の方と接してお話しをしますが、「 設計標準化 は重要なのはわかる。やりたいし、過去感度もトライしたんだが、やっぱり個別受注する我が社には合わないんだよ!」 という言葉が帰ってきます。” 標準化は競争力を奪う” ” 標準化したら魅力ある製品が作れない” ”標準化したら受注が絶対にへる” こんな間違った認識のもと進めると必ず失敗するし、そう思っている企業は100%失敗しています。

 

しかし、それは間違った認識だと思っています。標準化に対する考え方やアプローチを見なおせば、競争力を保ちながら標準化は実現できます。ホワイトペーパーでは書ききれなかったのですが、新機種開発・新製品開発を行うためにも設計標準化が必須になります。そのためには、設計標準化 ≠ 図面標準化(部品標準化) です。設計標準化 = デザインルールの標準化・設計思想の標準化ということになります。デザインルールの標準化を行うことで、流用設計で埋もれていた設計の意図・本質が浮き彫りになります。また、30年も40年も改訂されていない過剰な「定数」「係数」なども見えてきます。それは改めて自社製品の設計の本質を理解することに通じ、それが新らたな製品を生む土台につながります。全員力で戦う日本企業スタイルを守り続けるのなら、属人的な設計から脱却し、設計を標準化していくことが重要となるのです。

 

この設計標準化という土俵に立つことができれば、次に「設計における原価見積・原価管理」に改革のメスを入れることができます。設計における原価(=見積原価)は、実際原価とは違い100%精度で計算できないという根本的な問題があります。要は、「結局は、いい加減な原価」という域から脱することはできません。しかし、原価と聞くと、すぐに精度・精度・精度と、精度の話ばかりになります。無論、精度は悪いよりかは良い方がいいに決まっていますが、精度を追求するあまり整備に時間がかかったり途中で断念するケースを何度も見ています。逆説的になりますが、見積原価を真面目に取り組もうとすればするほど、「いい加減な原価」と真正面から向き合う必要が出てきます。

 

原価は何で決まるかというと、部品諸元(スペック)です。高い部品スペックを採用すれば原価も高くなります。単純化すると、原価= 「①部品スペック」 ✕ 「 ②スペック価格 」。「②スペック価格」は、あるスペックのものを購入するときの対価(購入費)となります。これは、市況・企業間の力関係などで左右するために、企業努力だけでルール化標準化などできない。しかし、「①部品スペック」を決めるのはデザインルールで、これは企業内の努力だけでいくらでも標準化ができるのです。先ほど「いい加減な原価」と記載しましたが、①部品スペックの部分は標準化していないと、「いい加減な原価」ではなく、「信用出来ない原価」となってしまいます。

 

見積原価の精度が悪いという言葉はよく聞きます。そのためにも、設計標準化をしなければ何も始まりません。部品諸元を決定するデザインルールが標準化され、部品諸元管理ができるようになり、部品諸元と原価の相関関係を紐解いていくというサイクルが重要となります。

 

魅力ある製品を生み出し、儲かる製品に育て上げる技術基盤を、是非多くの企業で実現してもらいたいです。

 

 

2014年6月16日
想像力をもって・・・・ プリベクト 北山一真