ネットワーク型の知的インフラ

Posted on Jan 8, 2015 in blog

ネットワーク型の知的インフラ

技術者の経験・工夫・努力・失敗(私はこれを技術資産と呼んでいる)を可視化し、共有し、高度化していくコンサルティングをやっていると、この技術資産をどう管理していくか知的インフラのあり方に悩みます.ここ20年くらいで企業としての技術資産のあり方が変わったと思いますので、知的インフラのあり方について書き記したいと思います.

 
■ネットワーク型の知的インフラ
経験や技術資産を企業として管理し活用する仕組みとして知的インフラの構築が必要です。昔は、先輩は自分より知っていて、先輩は後輩の道のほとんどを通っています。後輩の経験を包含し、より幅の広い知識を有しているため、「ピラミッド型」の技術資産のあり方だと思っています。積上・年功序列・一本道・農耕組織などのキーワードが当てはまります。そのため必ずベテランはマイスターであり、組織の中で何でも知っている大黒柱となるのです。

一方、ここ10年,20年の傾向としては「ネットワーク型」になっているように思えます。組織内で経験の領域が分散されており、ある意味分業やM&Aが進んでおり、経験が分散されてるとも言えます。分業型・多角事業・M&A・狩猟組織・個の独立などのキーワードが当てはまります。先輩や組織長が設計レビューしようとしても自分のやったことのない設計図面をレビューすることが増えてきていると思います。

 

名称未設定

 
■ネットワーク型の知識へのふるまい方
こう考えると、ナレッジを可視化し、それを活用するための知的インフラのあり方として、ネットワーク型のインフラ構築を意識せざるをえません。ネットワーク型の知識には、それ相応の接し方やふるまい方を考慮した仕組みづくりが必要になります。

  • 能動的な関わりによる意味解釈ができる
  • 仮想的な体験ができる
  • 探究的な連鎖を産ませる
  • 納得と疑問のサイクルを産ませる

 
技術資産は貴重な企業資産です。昔からナレッジマネジメントや技術伝承などキーワードは叫ばれています。それはベテラン技術者の頭のなかを可視化すれば良いというものではなく、それを活用する際の仕組みを考えなければなりません。そのためにの知的インフラのあり方をこれからも考えたいと思います。

 
 
 

2015年1月8日

想像力をもって・・・ プリベクト 北山一真