Posted on Jul 17, 2012 in blog
技術や技能について話しをしたい
21世紀に入ってから、技術伝承や技能伝承など、これまで培ってきた 「技」 に対する注目が集まり、
ナレッジマネジメントやナレッジデータベースなど様々な取り組みを行っている。
「技」 を共有させる仕組論は多く語られることが多いので、「技」 そのものに着目してみたい。
「技」 は色々な切り口で分類し、体系化されているが、
「思考」と「伝達」に分けた場合はどのような事が見えてくるか?
【思考技術】
問題を適切に設定でき、それに対する解決策を見つける。問題解決能力とも言える。
より汎用的な能力では、
・・・ ロジカルシンキング、発想法など
製品設計などの実務的な能力では、
・・・各種設計の原理原則の理解、不具合の未然防止の検討スキル、不具合原因分析能力、TRIZ、SCAMPERなど
【伝達技術】
21世紀の世では、頭で考えた事を人に伝えるには、それを文字や絵にして伝えるしかない。
頭で考えた事を 念写 でもして、相手に伝えることができるなら話は別だが・・・
そうなると、考えたことを適切に相手に伝えるための技術。表現技術とも言える。
より汎用的な能力では、
・・・プレゼンテーション能力、Excel・Wordなどのパソコン術、文章力など
製品設計などの実務的な能力では、
・・・製図力、CAD操作力、技術文章力などこの伝達技術は、使うツールやシステムに非常に影響されてしまう。
プレゼンする良いアイデアが浮かんだとしても、Windows PowerPoint だったら、
スラスラ書けても、Mac Keynote に変わった瞬間に劇的に生産性が落ちてしまう。
設計だったら、昔ドラフターでの製図に慣れていた人が、CADが導入された瞬間に、
線1本すら引けなくなるというのと同じである。
このご時世、考えたことを企業内で共有するには、形あるものに表現(アウトプット)せざるをえない。
そうなるとこの伝達技術がボトルネックになっている事が多い。
また、この伝達技術は、時代によって変わるということ。
PowerPoint も 2003 から 2007 に劇的に変更されて戸惑った方も多いはずである。
設計の世界でも、ドラフターから2次元CAD。そして3次元CADと時代とともに変化する。
この変化についていけるかも大きな能力となる。
思考技術は、基本的には普遍的であり、積上能力である。
しかし、伝達技術は、積上能力ではなく、時代により変化させる能力である。
ツールなどがどんどん新しくなれば、昔の技術に固執せず、変化すること前に進むことを重んじたほうが良い。
ツールのメリット/デメリットだけしっかり抑えておけば良い。
「ドラフターで設計してた時代はな・・・・」という事に、
こだわっていると大きな事を成し遂げられなくなってしまう。
『 思考技術は積上。伝達技術は変化。 』
重要な視点であることには、間違いないと感じている。
2012年7月16日
想像力をもって・・・ プリベクト 北山 一真