9月21日 原価計算研究学会 全国大会を終えて・・・

Posted on Oct 8, 2014 in blog

9月21日 原価計算研究学会 全国大会を終えて・・・

2014年 9月 21日に 原価計算研究学会 全国大会にて 研究報告 をしてきました。 (大会についてはこちらから)神戸大学にて開催されました。大会3日目の第2報告で、全国大会での報告は今年で4年目になります。今年は、日本管理会計学会の全国大会が9月12日にもあり、慌ただしい9月を送りました。

 「見積原価計算の問題点と発展的活用 〜顧客価値会計の概念を用いた考察〜」というテーマでの報告です。この見積原価計算は、殆ど研究がなされておりません。私が尊敬する田中雅康先生が近年で論文をだされているくらいで、ここ20年で論文は殆ど出ておりません。コンサルタントの立場からすると非常に不思議でならない状況です。 ”設計・開発でコストの約80%が決まる” ”製品開発におけるコストマネジメントは重要である” などと言われておきながら、その根幹を担う見積原価はいまだ勘見積!なんて馬鹿げた状態であるにも関わらず、見積原価計算について研究がなされておりませんでした。なので、見積原価に特化した報告にいたりました。過去のブログ(Blog:見積原価の難しさ・・・)に報告主旨を記載してますので良かったら見てください。

報告は20分。ディスカッサントコメント5分。質疑10分。と非常に短い時間でしたが、しっかりと見積原価計算の問題点と今後の方向性について報告できたと思っています。

見積原価の問題を端的に示せば、”属人的な勘見積” につきます。しかも、原価計算の知識を有した原価管理部や経理部の関与が殆どないことが更なる問題を引き起こしています。(原価計算の知識が浅い)技術部が中心となって整備する見積を行っている以上コスト競争力が着くとは思えません。

そのためにも、設計諸元と原価情報の紐解き(相関分析)をしなければなりません。相関分析の仕方としては、代表的なのは統計を用いるやり方です。設計諸元と原価の統計を行った結果のコストテーブルが必要です。それを、Specification-based Costing(SBC)と言います。このSBCが見積原価の未来を大きく変えることになります。それを実現させるためには、まず設計諸元DBの構築が必要となります。そしてコストファクターの可視化、そしてコストテーブルの作成というステップになります。報告資料は後日公開しますので興味のある方は資料を参照してください。

 

2014年10月8日

想像力をもって・・・・   プリベクト 北山一真