Posted on Sep 17, 2015 in blog
先日、2015年8月30日に、日本管理会計学会2015年度全国大会で報告してきまいた。2011年から当学会の全国大会で報告をしているので5回目の報告となりました。「大会プログラムはこちらから」
「製造業における管理会計的固定費論 -財管一致の問題点と原価企画機能からの考察-」という議題で報告をしてきました。
毎年のように言い続けているのが、多くの企業の管理会計が、期間損益を中心に行われています。期間損益は、財務会計があるからやらざるを得ないのですが、管理会計も期間損益一辺倒になっているのが、やはり問題であると思っています。しかも、財管一致(財務会計と管理会計を一致させる)というキーワードのもと、財務会計をベースとした管理会計になっているのも大問題です。財管一致も管理会計をベースにて財務会計ならいいのでが、あくまでも外部向けの数字をもとにした、内部評価という、まったく「トンチンカン」な会計です。
また、管理会計には、2つの軸が存在します。1つは期間損益です(縦の損益)。もう1つは、プロジェクト損益(横の損益)です。製造業において、もっとも評価しないといけないのは、このプロジェクト損益の方です。どの案件が儲かったのか?どのプロジェクト投資が回収できたのか?など、個別案件(事業)の採算評価が重要なのです。それらを、ある期間で区切ったものが期間損益であって、事業の本当の強さを評価するにはプロジェクト損益をマネジメントしなければなりません。
しかし、多くの方が気づいてませんが、この財務会計ベースの管理会計(財管一致)のせいで、正しい儲けが見えないよう状況になっています。だから、財管一致の問題点を指摘し、財管分離を進める必要があります。私の主張としては、管理会計を正しくして、会計のみで、細かく原価把握して、マイクロマネジメントしろなんて、言うつもりはないです。会計や原価はどんぶり勘定でいいくらいだと思っています。
しかし、不公平はダメです。
例えば、共通設備における自己負担率が計算により増減するのはしかたないです。しかし、身に覚えのない原画や使ってもない金型費を負担させられているとしたらどうしますか?怒りますよね!今は、見に覚えのないコストを負担させられているのです。しかも、それが、固定費という「自分が使っている意識の少ない原価」においてそうなっているのです。財管一致で、財務会計ベースで処理をおこなうと、この身に覚えのない原価を、知らず知らずに負担させらているという、不公平会計がはびこっています。
それらの問題点を学会で報告させていただきました。 是非、自社の会計のあり方を議論し、その会社にあった管理会計を見つけてもらいたいです。
学会でのプレゼン資料を一般公開致します。興味があれば、ご一読ください。要点しか記述しておりませんので、不明点などございましたらご質問ください。
2015年09月16日
心をこめて・・・・ プリベクト 北山一真