2016年の抱負「跳」

Posted on Jan 7, 2016 in blog

2016年の抱負「跳」

みなさま。あけましておめでとうございます。

 
2016年という新たな年を迎えられたことに感謝いたします。が始まりました。プリベクトの今年の抱負は、「跳」です。プリベクトの2015年は、多くの方の協力を得て、4月に日経テクノロジーオンラインにて連載を開始し、10月には書籍「プロフィタブル・デザイン iPhoneがもうかる本当の理由」を出版することができました。その連載では、日経テクノロジーオンラインの2015年 年間アクセスランキング1位をいただくことができました。コンサルティングが本業ですので執筆速度は遅いですが、これからも改革のヒントになる内容をお伝えしていきたいと思います。

「技術」と「会計」の融合をコンセプトに改革を支援させていただいておりますが、管理会計のあり方に大きな問題があると改めて思います。製造業の儲けの源泉は「固定費」にあるという基本的な認識も共有されておりません。設計も製造もそして経営者も変動費中心のマネジメントを行ってしまっています。しかし、儲けの観点からすると固定費マネジメントを行わないといけません。特に設計開発段階でコストの約80%が決まると言われており、設計段階でのコストマネジメントが重要なのです。設計段階で最もマネジメントすべきことは、「固定費マネジメント」なのです。また、経営者も固定費に目を向けていない場合があります。無論、新しい設備に投資する際には、投資判断で目を向けています。

 

しかし、投資回収の管理をしていますか?

 

投資するかどうかは経営会議で議論されるでしょうが、投資しようとなった固定費に関心を持っていない場合が多いです。固定費は減価償却などの数字あそびの世界にはいってしまい、固定費は使っている意識がなくなっていきます。しかし、経営者として重要なのは、投資回収がなされているかを判断することだと思います。財務会計中心の期間損益では回収管理は考慮されていません。期間を横断したプロジェクト損益で見ていく必要があります。また、昨今、インダストリー4.0のキーワードも目にすることが多いです。インダストリー4.0の良し悪しは抜きにして、インダストリー4.0を実現したくても、既存設備(固定費)が足かせになってしまっている企業も多いです。固定費回収管理ができていて、固定費回収が終わっていれば償却年数が来ずとも除却しても良いはずです。その回収管理ができていないため、”設備は使い続ければいいんだ!” ”変えないことが絶対的だ!”となってしまいます。固定費マネジメントは、意図なく無意味に変える(増やす)ことを抑制しなければなりませんが、決して経営の足かせになってはなりません。そのためにも、固定費回収管理が欠かせないマネジメントなのです。このような管理会計についての情報発信を増やしていきたいと思います。

そして、最後に、プリベクトの今年の抱負は、「跳」です。2015年で築いた土台をもとに、ソリューションの拡張をしていきたいと考えています。前述の固定費マネジメントや固定費回収管理など、技術と会計の融合が1歩み、日本の技術力が絶えず次なる世代に受け継がれるように弊社も努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 
2016年1月7日
真善美の心で・・・ プリベクト 北山一真