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個別受注のPLM(その1)

Posted on Jun 3, 2025 in blog

個別受注のPLM(その1)

        前回(CADとE-BOMの双方向性)にて、機械設計での執筆の補足解説をしました。それ以外にも「BOMを考える際に、企画量産型と個別受注型では考え方が大きく異なる」というのを改めて知ったというコメントも多くいただきました。紙面の都合上、企画量産型と個別受注型の違いにあまり触れられなかったので補足しておきます。   | 企画量産と個別受注型   企画量産企業と個別受注企業ではBOMの活用方法が異なります。E-BOM、BOP、M-BOMという視点だけでみたらほとんど変わりません。細かく見ると企画量産型の場合はバリエーション管理や仕様差の管理をどのようにするか?という課題があり、E-BOMの上位に論理構成(150%E-BOM・Super-BOM)が必要になります。その場合は、論理構成と要求仕様から100%のE-BOMをどのように生成するかも課題となります。そしてM-BOMにおいては、個別受注は在庫ポイントが少なく連続工程が多くなり、結果としてE-BOMとM-BOMの構成は似てきます。また、企画量産は在庫ポイントが多く、結果E-BOMにはない品目(ファントム品目)が発生し、E-BOMとM-BOMの変換にひと工夫が必要となります。( M-BOMの在庫ポイントやE-M変換については別途触れたいと思います ) いくつか触れましたが、大きく見たら企画量産と個別受注で差が少ないと思います。         | P-BOMの重要性...

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CADとE-BOMの双方向性

Posted on May 26, 2025 in blog

CADとE-BOMの双方向性

        少し前になりますが、日刊工業新聞社 機械設計2025年4月号 PLM特集にて記事を執筆しました。(雑誌詳細に関してはこちらから)。特集 第1部 解説1を担当させていただいたのですが、あわせてダッソー・システムズ様とキャディ様が執筆されています。事前に2社とは内容に関してすり合わせを行い、ある程度一貫性をもたせた記事にしています。私の解説1は大きな考え方、解説2,3はテクノロジーの視点で書かれています。それぞれの立場があるため完全に一致した考え方になっていませんが、大きな考え方はつながっているため読み応えのある特集になっているのではないかと思っています。もし機会があれば手にとっていただければ幸いです。   紙面発売後、様々な方からコメントや質問を多数いただきました。紙面の都合上、書き切れなかった部分もあるのでいくつか補足をしておきたいと思います。   | CADとE-BOMは双方向でつながる必要がある  ...

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BOM(部品表)の考察 1 : E-BOMの位置づけ

Posted on Sep 22, 2018 in blog

BOM(部品表)の考察 1 : E-BOMの位置づけ

        BOM(部品表)、特にE-BOM(設計部品表)について、いくつか考察したいと思います。以前にも記載してますが、基本スタンスを明確にしたいと思います。まず、E-BOMは、”設計を強くする” という観点からすると、ほとんど意味をなさないものというスタンスでいます。なぜなら、設計の本質は、「設計パラメータ(設計諸元)を確定すること」であるからです。なので、要求スペックに対して、より最適なパラメータを選定できるかにかかってきます。(図の3階層の真ん中部分)     | 設計の本質は、パラメータ(設計諸元)の確定である   設計者は、様々な種類のパラメータを複雑に絡み合いながら決めていっています。代表的なものをいくつか例をあげます。   【性能値】 要求を受けて最初に決めるもの。処理量・定格荷重・最大速度・トルク・容量など。比較的、無形のパラメータとなる。   【方式値】 性能を受けて、有形物としてまず決めるもの。スライド機構を実現する方法として、ローラ方式/ガイド方式。冷却構造を実現する方法として空冷/水冷といったもの。基本形状設計/方式設計に分類されるもので、機構・構造・システム・パターンの設計となる。   【寸法値】...

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PLMの本質と投資効果(その2)

Posted on May 29, 2018 in blog

PLMの本質と投資効果(その2)

    以前に書いた記事( PLMの本質と投資効果 ) の続きを記載したいと思います。前回の記事では、PLMを会計と連動させることで、経営管理の仕組みとなり、経営としての投資効果を狙っていけるということになります。なので、PLMを、BOMやPDMの延長の取り組みで考えると、経営者からは” 開発現場のマニアックなツール導入 ” としか見えず関心が持たれない場合があります。経営管理の位置づけで取り組むことで、ERPと並ぶ2大経営管理の仕組みにしていくのです。   | 本当の利益は見えているのか?  ...

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改革は ”変” 人だからできる

Posted on May 15, 2018 in blog

改革は ”変” 人だからできる

    様々な企業で、業務改革のお手伝いをしていて、「改革」の定着が難しいと感じさせられます。PJの目標期日までに新業務を定義し、経営トップに完了報告をするのは、期間が決まっているため短距離走のようにがむしゃらに頑張ることができます。しかし、その後の業務定着が本当に難しいと感じます。多くの人は「改革」や「新しい業務」には抵抗感があり、受け入れ難いのだと思い知らされます。   | ”できない” 40点を気にし、”できる” 60点を捨てるな   講演や改革プロジェクトの中でよく口にするキーワードがあります。「 ”できない” 40点を気にして、”できる” 60点を捨てる必要がない」 という言葉です。新しいことに反対する人は、”できない” ことばかりに目がいく思考をもっています。例えば、現状が10点の仕事があったとします。そこに60点の改革案を出した場合に、「この案では、AAAに対応できない」「BBBの場合が考慮されていない」「これでは不十分だ」と、足りない・できない40点ばかりに目がいきます。結果、否定的な意見が多いので見直しましょう。となり、改革案が却下され、現状の10点のままになってしまっているということです。せっかく、現状の10点から60点に、50点も改善が期待できるにも関わらず、できない40点ばかりを気にして、できる60点を捨ててしまっているのです。      ...

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PLMの本質と投資効果

Posted on May 6, 2018 in blog

PLMの本質と投資効果

    最近、PLMとは何か?PLMを経営者にどのように説明したらよいか?投資効果をどのように考えたらよいか?といった相談を受けます。1月2月は新年度活動のために経営者報告の相談が特に多くなる時期です。そこで感じたのが、PLMは概念が広すぎて活動の本質が見えにくくなっており、世間で認知されている内容に疑問を感じる部分も多です。数回にわたり、PLMをどのように考え、投資効果を出していくべきかについて触れたいと思います。   | PLM導入の2つの違和感   PLMとは、Product Lifecycle Managementの略で、「製品企画・設計・製造・販売・保守までのライフサイクル全般にわたって製品を総合的に管理する手法」といった感じで定義されることが多いです。しかし、様々な企業の導入支援を通じて大きく2つの違和感を感じています。  1つ目の違和感は、「 PLMがBOMやPDMと同じような取り組みになっている...

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