BOM(部品表)、特にE-BOM(設計部品表)について、いくつか考察したいと思います。以前にも記載してますが、基本スタンスを明確にしたいと思います。まず、E-BOMは、”設計を強くする” という観点からすると、ほとんど意味をなさないものというスタンスでいます。なぜなら、設計の本質は、「設計パラメータ(設計諸元)を確定すること」であるからです。なので、要求スペックに対して、より最適なパラメータを選定できるかにかかってきます。(図の3階層の真ん中部分) | 設計の本質は、パラメータ(設計諸元)の確定である 設計者は、様々な種類のパラメータを複雑に絡み合いながら決めていっています。代表的なものをいくつか例をあげます。 【性能値】 要求を受けて最初に決めるもの。処理量・定格荷重・最大速度・トルク・容量など。比較的、無形のパラメータとなる。 【方式値】 性能を受けて、有形物としてまず決めるもの。スライド機構を実現する方法として、ローラ方式/ガイド方式。冷却構造を実現する方法として空冷/水冷といったもの。基本形状設計/方式設計に分類されるもので、機構・構造・システム・パターンの設計となる。 【寸法値】...
Read More以前に書いた記事( PLMの本質と投資効果 ) の続きを記載したいと思います。前回の記事では、PLMを会計と連動させることで、経営管理の仕組みとなり、経営としての投資効果を狙っていけるということになります。なので、PLMを、BOMやPDMの延長の取り組みで考えると、経営者からは” 開発現場のマニアックなツール導入 ” としか見えず関心が持たれない場合があります。経営管理の位置づけで取り組むことで、ERPと並ぶ2大経営管理の仕組みにしていくのです。 | 本当の利益は見えているのか? ...
Read More様々な企業で、業務改革のお手伝いをしていて、「改革」の定着が難しいと感じさせられます。PJの目標期日までに新業務を定義し、経営トップに完了報告をするのは、期間が決まっているため短距離走のようにがむしゃらに頑張ることができます。しかし、その後の業務定着が本当に難しいと感じます。多くの人は「改革」や「新しい業務」には抵抗感があり、受け入れ難いのだと思い知らされます。 | ”できない” 40点を気にし、”できる” 60点を捨てるな 講演や改革プロジェクトの中でよく口にするキーワードがあります。「 ”できない” 40点を気にして、”できる” 60点を捨てる必要がない」 という言葉です。新しいことに反対する人は、”できない” ことばかりに目がいく思考をもっています。例えば、現状が10点の仕事があったとします。そこに60点の改革案を出した場合に、「この案では、AAAに対応できない」「BBBの場合が考慮されていない」「これでは不十分だ」と、足りない・できない40点ばかりに目がいきます。結果、否定的な意見が多いので見直しましょう。となり、改革案が却下され、現状の10点のままになってしまっているということです。せっかく、現状の10点から60点に、50点も改善が期待できるにも関わらず、できない40点ばかりを気にして、できる60点を捨ててしまっているのです。 ...
Read More最近、PLMとは何か?PLMを経営者にどのように説明したらよいか?投資効果をどのように考えたらよいか?といった相談を受けます。1月2月は新年度活動のために経営者報告の相談が特に多くなる時期です。そこで感じたのが、PLMは概念が広すぎて活動の本質が見えにくくなっており、世間で認知されている内容に疑問を感じる部分も多です。数回にわたり、PLMをどのように考え、投資効果を出していくべきかについて触れたいと思います。 | PLM導入の2つの違和感 PLMとは、Product Lifecycle Managementの略で、「製品企画・設計・製造・販売・保守までのライフサイクル全般にわたって製品を総合的に管理する手法」といった感じで定義されることが多いです。しかし、様々な企業の導入支援を通じて大きく2つの違和感を感じています。 1つ目の違和感は、「 PLMがBOMやPDMと同じような取り組みになっている...
Read More今回は、管理している「情報の質」について語りたいと思います。多くの企業では、様々な業務に情報システムを適用し、業務を記録し、データ入力し、関連するドキュメントを登録します。情報システムにより、効率的な仕事ができたか「業務分析」を行ったり、トラブルなどがあった際に「トレーサビリティ」を確保することができます。また、過去の資産を有効活用するために、「検索」をしやすくしておきます。 まとめると、情報管理は、「業務分析」「トレーサビリティ」「過去検索」などを目的として導入さることが多いと思います。これらは、情報の質からすると、” フロー ” の情報を可視化しているといえます。フローの情報とは、各業務の結果を登録することに該当し、これは業務間の手続き部分を可視化していることになります。少し見方を変えれば、仕事のOutputに着目した情報管理といえます。 一方、仕事のInputに着目した情報があります。それが ” ストック ”...
Read Moreみなさま。あけましておめでとうございます。 2016年という新たな年を迎えられたことに感謝いたします。が始まりました。プリベクトの今年の抱負は、「跳」です。プリベクトの2015年は、多くの方の協力を得て、4月に日経テクノロジーオンラインにて連載を開始し、10月には書籍「プロフィタブル・デザイン iPhoneがもうかる本当の理由」を出版することができました。その連載では、日経テクノロジーオンラインの2015年 年間アクセスランキング1位をいただくことができました。コンサルティングが本業ですので執筆速度は遅いですが、これからも改革のヒントになる内容をお伝えしていきたいと思います。 「技術」と「会計」の融合をコンセプトに改革を支援させていただいておりますが、管理会計のあり方に大きな問題があると改めて思います。製造業の儲けの源泉は「固定費」にあるという基本的な認識も共有されておりません。設計も製造もそして経営者も変動費中心のマネジメントを行ってしまっています。しかし、儲けの観点からすると固定費マネジメントを行わないといけません。特に設計開発段階でコストの約80%が決まると言われており、設計段階でのコストマネジメントが重要なのです。設計段階で最もマネジメントすべきことは、「固定費マネジメント」なのです。また、経営者も固定費に目を向けていない場合があります。無論、新しい設備に投資する際には、投資判断で目を向けています。 しかし、投資回収の管理をしていますか? ...
Read More